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キングロボ(上)

桑田次郎
マンガショップ
B6判 ソフトカバー 360頁 2004年8月発売
本体 1,800円  税込 1,944円  国内送料無料です。
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エイトマンを超えるスーパーロボット!

日本初の連続テレビアニメが誕生した1963年――。日本中の子どもたちが「鉄腕アトム」や「鉄人28号」の活躍に胸を踊らせていた頃、「エイトマン(マンガ版は8マン)」の作者である桑田次郎は、もう一つのスーパーロボットコミックに取り組んでいた。それが少年キングに連載した『キングロボ』である。

超スピードで地を駆けるエイトマンに対し、キングロボは背中やベルトのロケットで宙を自在に飛び回る。画期的なのは機に応じて身体を離れ、超小型ジェット機に変形する両腕や、特殊ドリルとなって硬い岩盤さえうがつ両足だ。等身大ながら、後の変形合体ロボットの先駆けといってもいい。

エイトマンと決定的に違うのは、電子頭脳によって自らの意志を持つのではなく、ガス状の宇宙人が乗り移ることで動く点だ。現代風の言い方をすれば、キング星人が戦うために装着するモビルスーツである。そのため、キング星人は戦闘タイプ(キングロボ)と人間型の2つのロボットを使い分けている。

桑田作品にしては珍しく原作者が付いていないが、その分、純粋に桑田ワールドの魅力を堪能できる。本書では当時の掲載原稿を完全収録!!文句なくオススメの一冊だ。

※『少年キング』1963年第11号から1964年第28号、『別冊少年キング』(共に少年画報社) 1966年2月号、4月号、9月号連載。

解説

桑田次郎(現・桑田二郎)といえば、日本SFコミックの草分けとして数多くの作品を残した大物である。50代には共に映画・テレビで一世を風靡した「まぼろし探偵」、「月光仮面」(原作・川内康範)の作家として、40代以下にとってはアニメ草創期の名作「8マン=テレビはエイトマン」(原作・平井和正)の描き手として知られている。

他にも「Xマン」、「超犬リープ」(原作・平井和正)、「黄色い手袋X」(原作・川内康範)、「ウルトラセブン」(原作・金城哲夫)、「バットマン」、「デスハンター」(原作・平井和正)、「奇怪大作戦」、「エリート」(原作・平井和正)、「ゴッドアーム」(原作・梶原一騎)――など数多くの作品を残している。

その桑田次郎(桑田二郎)ファンのほとんどが口を揃えて、8マンと並ぶロボット漫画の傑作と評するのが「キングロボ」である。1963年に講談社の「少年マガジン」で、アニメ化を前提にした「8マン」の連載を始めた桑田氏は、ほぼ同時に少年画報社の「少年キング」でロボット漫画の制作依頼を受けた。

作品のタイトルは雑誌そのものを象徴する「キングロボ」。桑田氏にとっては、同社の月刊誌に連載した「まぼろし探偵」で世に出たという恩義もあり、原作者のいる「8マン」と違って自由に描けるという魅力もあった。

TBSによってアニメ化した8マンは、当時の日本人なら誰でも知っている太陽のような存在だったが、一方のキングロボは「少年キング」を読んでいる人しか知らない影のスーパーヒーローだった。それでも作品の人気バロメーターである縁日のお面(セルロイド製)になっている。

特に関西方面で売られるお面やメンコによく登場したのは、8マン=読売ジャイアンツ、キングロボ=阪神タイガースというプロ野球の図式を描いているからかもしれない。

キングロボの魅力は何といっても、その斬新で機能的な四肢分解攻撃にある。桑田作品独特の流線的で美しいフォルムを保ちながら、キングロボの両腕は超小型のジェット戦闘機になって自在に空を飛び、両足はドリル付き掘削機になって地に潜ることができる。

30代より下の人は意外に思うかもしれないが、1974年発表の「ゲッターロボ」(石川賢)以前に、主役級のロボットの腕や足が武器に変形したり、はずれて勝手に動くということはなかったのである。しかも、厳密に言うとキングロボは一種のモビルスーツだ。

同作品に登場する悪役のゾリンゲン博士は、宿敵キングロボの秘密を知るため徹底的に調べるが、その頭の中が空白になっていることに驚く。人間の記憶を移植した電子頭脳に頼る8マンや、自らは意志を持たずにリモコンで動く鉄人28号と違って、ガス状のキング星人が乗り移って操るキングロボは、単なるスーツ型戦闘機具の一つといえる。

8マンは私立探偵の東八郎から一瞬のうちに変身するが、こちらはそういう機能がないため、キング星人はわざわざ人間型(天文学者の本郷一郎)から、戦闘タイプのキングロボに乗り換えなければならない。異形の宇宙生命体でありながら、キング星人は赤ん坊のケンジを育てるなど、やたら人間くさいところが魅力である。

鉄骨を軽々とへし曲げ、超スピードで地を走る無敵の8マンに、空を飛ぶ武器の集合体であるキングロボ。この2つのスーパーロボットが対戦したら、勝者はどちらだろうか。しかし、それを論じるのは野暮というものかもしれない。「鉄人28号VS鉄腕アトム」「ゴジラVSガメラ」「アントニオ猪木VSジャイアント馬場」――。真のライバル対決は実現しなくても、想像するだけで楽しいのである。

目次


●お客様の声

ガス状の宇宙生命体キング星人の意思で活躍するスーパーロボットのキングロボは、完全無欠でないゆえにストーリーの展開がスリリングで、かえって輝きを増しているように思います。たとえ形はなくても、地球人以上に平和を愛するキング星人はまことに頼もしい存在であり、「黒いゆうれい編」に登場したロボット探偵もなかなか魅力的です、それに、川上警部もいい人情味があってイイオヤジサンですね。[長野県 M.A様]

著者紹介


桑田次郎(くわた じろう)

1935年、大阪府吹田市生まれ。13歳のときに青雅社から描き下ろしの単行本『奇怪星団』を出版して漫画家デビュー。1957年、少年画報連載の『まぼろし探偵』(当初のタイトルは少年探偵王)が大ヒットして最初のテレビ化。翌年、元祖和製ヒーローの『月光仮面』をコミカライズして、その人気は不動のものになった。1963年に講談社の少年マガジンでスタートした『8マン』は、半年後にアニメ化されると空前のブームを巻き起こし、平均視聴率は常に30%台をクリア。SFヒーローコミックの第一人者にのし上がる。代表作は、『Xマン』『キングロボ』『超犬リープ』『ウルトラセブン』『デスハンター』『怪奇大作戦』『ゴッドアーム』『エリート』『黄色い手袋X』『ミュータント伝』『チベット死者の書』『釈迦の真言』――など多数。現在は都会の喧噪から逃れ、自然の豊かな茨城県の大洋村に住まいを移している。その硬質でシャープなペンタッチは衰えを知らない。



2005年1月23日の朝日新聞に掲載されました。

ISBN4-7759-1003-5 C0979

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