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狼少年ケン

伊東章夫
マンガショップ
B6判 ハードカバー 392頁 2004年9月発売
本体 1,800円  税込 1,944円  国内送料無料です。
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東映動画のテレビ進出アニメ第一号

1963年11月25日に放映開始の「狼少年ケン」は、アニメ映画の大作「白蛇伝」や「少年猿飛佐助」「西遊記」などを世に送り出した東映動画(現・東映アニメ)が、初めてテレビ向けに制作した記念すべき第1号作品である。

その半年後、講談社の月刊漫画誌「ぼくら」において、唯一、オフィシャルな形のマンガ版「狼少年ケン」がスタートした。キャラクターの設定やアニメの世界観は活かしつつ、ストーリーはマンガ版のオリジナル性を優先した。作者は当時主流の手塚タッチを踏襲しながら、どこか温かみのある画風が特徴の伊東章夫。当時27才の若手マンガ家らしい、一本一本の線の勢いに注目してほしい。

ちなみに「狼少年ケン」といえば、アニメを提供していた森永製菓のまんがココアやまんがジュースを思い出す人も多いはず。それらの中には、「狼少年ケン」のキャラクターを使ったシールが入っていた。日本中の小学生がそのシールを集めて交換したり、学校の机に貼ったりしたため、一種の社会問題として取りあげる新聞もあったほどだ。

今まで一度も単行本になっていないマンガ版『狼少年ケン』は、アニメをよく見ていた人も、まったく知らない人も一度は読んで欲しい作品である。当然、BGMは小林亜星氏の作曲したオープニング曲以外にない。

ケン・ブーム到来?

最近、どこかでケンのオープニングソングを耳にしなかっただろうか。最近、どこかで"狼少年ケン"の文字を、目にしなかっただろうか。――そう、缶コーヒーBOSSのCMソングで流れている、あの曲である。そして、あの映画『69』の主人公が憧れている少年が、狼少年ケンなのである。そして、その物語を読める唯一の単行本が、この本なのである。

解説

1963年は日本のアニメ史において記念すべきテレビ元年である。虫プロ制作の「鉄腕アトム」(フジテレビ系放映)、TCJ制作の「鉄人28号」(フジテレビ系放映)、「エイトマン」(TBS系放映)というロボット御三家は、当時のお茶の間に衝撃をもって迎えられた。最高視聴率も30%台後半をマークし、鉄腕アトムに至っては40%超を記録した。

その輝かしき1963年末にスタートしたのが、東映動画の制作した「狼少年ケン」(NET系放映)である。1958年から「白蛇伝」「少年猿飛佐助」「西遊記」「アラビアンナイト シンドバッドの冒険」「わんわん忠臣蔵」――など、劇場公開用の傑作アニメを世に送り出してきた東映動画にとって、「狼少年ケン」はまさしくテレビ進出第1号の特別な作品なのだ。

実は「狼少年ケン」の演出スタッフの中には、今をときめく「スタジオジブリ」の高畑勲氏がいるし、6歳下の宮崎駿氏も動画担当として参加していた。同作品は両氏にとって若き日の思い出であり、アニメ制作のルーツといってもいい。ジブリファンを自認するなら見逃してはいけない作品である。(高畑監督のメッセージ)

もう一つ、その頃のテレビアニメの特徴を挙げるなら、菓子メーカーや食品メーカーの提供によって放映され、タイアップ商品のおまけシールが子共たちの人気を呼んだ。「鉄腕アトム」は明治製菓、「鉄人28号」はグリコ、「エイトマン」は丸美屋、そして「狼少年ケン」は森永製菓の提供だった。

森永製菓の「まんがココア」に入っていた「狼少年ケン」のシールは、あまりの収集加熱ぶりに社会問題化し、学校に持ってくることが禁止されたほどである。最近でいえば、ドラクエ現象や遊戯王カードに近いかも知れない。

アニメ放映時に子供時代を過ごした40代以上の人なら、ココアやキャラメルのおまけを集めた経験はあるはずだし、小林亜星作曲のオープニングテーマを知らない人はいないはず。「狼少年ケン」は時代を映す鏡であると同時に、その世代にとっては一種の共通言語といってもいい。

人気作家・村上龍の小説「69(シックスティナイン)」の冒頭に、主人公のケンが自分の呼び名について説明するシーンがある。そのケンの意味は「雷門ケン坊」でも「ケンとメリー」でもなく、漫画の「狼少年ケン」に由来しているという。今年52歳の村上龍もまた「狼少年ケン」の世代である。2004年の夏に公開された映画「69」のサウンドトラック盤にも、「狼少年ケン」のオリジナルテーマはしっかり入っているのだ。

以上、ここまで「狼少年ケン」のルーツである東映動画のアニメについて説明してきた。1964年6月、そのアニメ放映中に講談社の月刊誌「ぼくら」で連載が始まったのが、今回初めて単行本になる漫画版「狼少年ケン」(伊東章夫作)である。実は「狼少年ケン」には別作家による描き下ろし版もあるが、表紙に「東映動画制作」「森永製菓提供」と記してあるオフィシャルのコミカライズは、「ぼくら」に連載した本作品だけである。

ストーリーは北インドのヒマラヤ奥地を舞台に、狼の群れの中で育った野生児ケンが、腰の短剣一つを武器にジャングルの平和を守るという物語。双子の子供の狼チッチとポッポ、頼もしき兄貴分のジャック、経験豊富なボスなど、魅力的なキャラクターが数多く登場する。後に学習漫画の大御所として活躍する伊東章夫氏の切れ味鋭い描写も見物である。

※TCJ=現・エイケン NET=現・テレビ朝日 東映動画=現・東映アニメ

※1964年6月号から65年9月号まで『ぼくら』(講談社)連載。


高畑監督からのメッセージ

『狼少年ケン』は私にとって大変大事な作品です。スタートから原案者の月岡貞夫氏に付き添っていたこと、この仕事ではじめて演出になったこと、そしてなによりも、キャラクターのアンサンブルさえ守れば、何をどのように扱ってもよかったので、滑稽ものから深刻ものまでさまざまなことが試せて、大変勉強になったこと、そのすべてに感謝しています。

アニメーション映画監督 高畑勲(スタジオジブリ)


当時のアニメ設定資料(一部)


懐かしの関連商品たち


左から; お皿(大)、お皿(小)、スプーン(全体)、スプーン(拡大)、マンガジュース、ソノシートブック1、ソノシートブック2、当時の広告、シール(パイル地素材)、メンコ。

ケンのアニメがDVDで復活!

ウォルト・ディズニー・ジャパンが、1960年代のモノクロアニメを復刻。もちろん、狼少年ケンも! 全話の中から、5話程度を抜粋して収録。2005年8月までの限定販売。詳細はこちら

狼少年ケンTシャツ・後 狼少年ケンTシャツ・前

狼少年ケンTシャツが登場!!

狼少年ケンのTシャツが東映アニメーションより発売されました。

著者紹介


伊藤章夫(いとう あきお)

1937年、金沢市出身。貸本漫画から雑誌・新聞・単行本へと活躍の場をひろげる。
75年『シリーズ・先祖をたずねて億万年』(新日本出版社)で、日本漫画家協会賞
優秀賞受賞。そのほかの主な作品に『宇宙漫画シリーズ』(新日本出版社)、
『台風ぼうや』(講談社)、『科学漫画館』『ファイト君』(ともに国土社)、
『ミスター巨人』(秋田書店)、『すみれさん』(読売新聞社)、『みなしご恐竜トム』
(理論社)。挿絵に『まんが なぞとき 恐竜大行進 全15巻』(理論社)。
絵本に『トリケとトリプ』(教育画劇)などがある。

ISBN4-7759-1005-1

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